ラズベリー・パイはどんなコンピュータ?

「ラズベリー・パイ」は、手のひらサイズの小さなコンピューターと言われることがあります。ですが、普段目にするパソコンやスマートフォンとは、姿形がまるで違います。一体どのようなコンピューターなのでしょうか。

手のひらサイズのコンピューター「Raspberry Pi 3 B+」。一般的なパソコンとは違い、基板が向きだしの状態で売られている。

「コンピュータ」と聞いてみなさんが思い浮かべるのは、パソコンやスマートフォンといったウェブを見たり、アプリを使うための機器ではないでしょうか? コンピュータを日本語で表現すると「電子計算機」。厳密には、デジタル信号を用いて計算ができるものは、すべてコンピュータということができます。家電量販店で売られている電卓なども、コンピュータの一種といえます。

近年では、日本におけるコンピュータの定義が狭くなり、アプリなどプログラミングされたソフトを動かすことができるもの、ということができます。パソコンやスマートフォンだけでなく、ゲーム機やシンセサイザーなどもコンピュータとしての一面を持っています。

では、ラズベリー・パイはどのようなコンピュータなのでしょうか。じつは、デスクトップパソコンにもっとも近い性質を持っています。

一般的なコンピューターとラズベリーパイ

ラズベリー・パイでできること

ラズベリーパイには、パソコンと同じように、CPUやメモリーなどの機能を持つチップが基板上に備わっています。一般的なパソコンには、SSDやハードディスクといった、OSやソフトウェアを保存しておくためのストレージがありますが、ラズベリーパイではマイクロSDカードをストレージとして利用できるようになっています。

また、有線LANやWi-Fiといったネットワーク接続もできます。こうした機能を用いて、パソコンと同じようにソフトウェアを実行したり、インターネットに接続したりできるようになっているのです。

安くても機能は十分

一般的なパソコンの価格は、数万円から。最新のモデルでは10万円以上するものが多くあります。これに対して、ラズベリー・パイは5000円ほど。驚くほどの安さですが、本当にパソコンのように使うことができるのでしょうか? 性能面では、パソコンの数分の1程度の能力しかありません。ですが、Raspberry Pi専用のOSを使うことで、Windowsパソコンと遜色ない機能を使うことができます。専用のOSには、ウェブブラウザーやメールソフトのほか、オフィス互換ソフトや動画再生ソフトなども入っています。こうしたソフトを使って、パソコンと同じようなことができるようになっているのです。

ラズベリー・パイの画面はまるで普段使っているパソコンのよう。

電子工作にも使える

ラズベリー・パイは、買ったままの状態だと基板を保護するためのケースがついておらず、むき出しの状態となっています。基板をよく見ていると、たくさんのピンが並んでいることが分かります。これは、GPIOピンヘッダと呼ばれ、ラズベリー・パイのプログラムを用いて信号を送ったり、受信したりできるようになっています。このGPIOを用いることで、スイッチを付けて操作したり、モーターを動かしたりできるようになっているのです。

ラズベリー・パイから電気信号を取り出して、モーターを動かしたりLEDを光らせたりできる。

たとえば、GPIOからモーターの動きをコントロールして、スマートフォンから操作するラジコンカーを作ることもできます。ラズベリー・パイはパソコンに比べて小さく軽いので、ラジコンカーなど工作した装置に取り付けることもできます。

価格が安く、小さくて軽いというラズベリー・パイは、電子工作との相性がぴったりだといえます。

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